秘書の仕事って何となく大変そうだけど、具体的に何をするのか想像が付かない・・・という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
秘書のお仕事は会社によって求められる役割が違うって、ご存知でしたか?
ここでは、実際に社長秘書として3年間働いていた私がどんな仕事をしていたかレビューしていきたいと思います。
- 秘書に興味があるけどどんな仕事か分からない方
- 秘書の経験者に話を聞いてみたい方
- 自分に秘書が向いているか分からない方

大学の新卒などでは採用がほとんど無いとされている「秘書」という仕事。
私は数年間事務の仕事をしていましたが、秘書になるとビジネススキルが磨かれるのではないかと思い興味を持ったことがきっかけでした。
- とにかく忙しい
- マルチタスクができる
- ビジネスマナーが完璧
- コミュニケーション能力が高い
実際に3年間秘書として働いてみると、やはり大変なことだらけで毎日がギュッと凝縮されたようなとても充実した毎日でした。
この記事が秘書を目指す人にとって、参考になれば嬉しいです。
秘書とは
秘書をひとことで表すと「究極の縁の下の力持ち」だと思っています。
例えば営業事務の仕事だったりも、見えないところで誰かをサポートする仕事ですが、秘書はサポートする相手が明確に決まっていて、それも社会的地位の高い上司や重要なチームであるところが大きな違いです。
秘書には大きく分けて2種類あります。
- 個人秘書
- グループ秘書
私は経営者の秘書でしたので、「個人秘書」を経験しました。
個人秘書・・・社長や副社長といった経営側の人間をサポートする秘書
グループ秘書・・・部署や1つの課全体をサポートする事務仕事寄りの秘書
秘書の仕事内容

ここでは、秘書の仕事内容について取り上げていきます。
個人秘書かグループ秘書かにもよりますが、どんな秘書でも事務的な仕事は必ず含まれています。
- 役員のスケジュール管理
- お茶出し
- 書類整理
- VIPのお客様来訪時の対応
- 役員の経費精算
- 慶弔対応
- お中元やお歳暮の手配
などが一般的です。
こういった仕事にプラスして、上司の求めるスキルに応える仕事をすることが多いと感じています。
例えば、秘書の仕事にプラスして営業の側面を担ったり、その部署のリーダー的存在になったり、もっと経営に踏み込んだ立場になったりと、なる人によって発揮するスキルが大きく変わってくるところも、私が秘書を面白いと感じる理由です。
秘書の1日のスケジュール
特に大きな仕事が無い場合は、このようなスケジュールで仕事をしていました。
8:30 | 出勤 |
---|---|
8:45 | 1日の予定を上司へ共有。秘書からの確認事項を行う |
9:00 | お茶出し |
9:15 | 取引先からのメールチェック&返信 |
10:00 | スケジュール調整や会食、出張手配、電話対応など |
12:00 | ランチタイム |
13:00 | 経費精算、ファイリング作業、上司宛ての来客対応&状況に応じて同席 |
15:00 | 上司へ業務の確認事項 |
15:30 | お茶出し・電話対応・上司から指示のあった業務をこなす |
18:00 | 退勤もしくは残業 |
これはあくまで一日の例で、日によって行う業務も変わってくることがあります。
お中元やお歳暮

お中元や贈り物の選定は、秘書の仕事の中でも大切ですよね。
手配する時期が早すぎても遅すぎても、失礼にあたってしまいます。
また、選んだ品物が相手様の好みの範囲であるかどうかも、事前にリサーチしておくと良いでしょう。
取引先の会社全体に送る場合:大人数の人が食べられる個包装のお菓子
取引先の役職者に送る場合:その人が好んでいる物やカタログギフト
などが無難に喜ばれるおくりものです。
秘書の仕事で大切な「お中元やお歳暮」の手配。受け取った方の気持ちを考えて手配することで、こちらの印象をよりアップすることができます。
また、先方から品物を頂いたけれど、こちらが手配するリストには無かった!ということもあります。その場合は頂いた品物と同等の金額帯のものでお返しすると間違いありません。
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秘書として働くメリット・デメリット
メリット

秘書として働くメリットは3つあります。
- 慶弔やビジネスマナーに詳しくなる
- デキる人の側で「見て学べる」
- 社会的地位のある人の知り合いが増える
慶弔やビジネスマナーに詳しくなる
秘書は日常的に贈答品の受け取りや手配を行います。取引先の方でご結婚や訃報のお知らせ、また独立などのお知らせを受け取ったときはできるだけ早く対応することで、こちらの気持ちを伝えることができることを秘書は知っています。
また、社会的地位の高い上司や取引先、相手先の秘書とのやり取りの中で学ぶべきビジネスマナーは沢山あります。高いレベルのビジネスマナーを持つ人との接触が多い秘書は、自然と自分のレベルもアップさせることが可能だと感じました。
デキる人の側で「見て学べる」

役職者は仕事がデキる人であったり、高い交渉能力があったりと一般の人が持っていないスキルを持っています。そして、その上司を常に間近でサポートすると、おのずと自分の仕事に生かせる考え方を学ぶことができます。
経営者の秘書であれば経営のサポートにも入ることがあるため、秘書の経験を積んだのちに、自分で企業する人も少なくないようです。
社会的地位のある人の知り合いが増える

秘書をしていると、上司の大切なお客様を会社でお迎えしたり面会の調整を請け負う場面があります。
また、それだけでなく希に会食の同席などもするため社長さんや会長さんといった社会的地位の高い人と会話する機会が増えます。
秘書という役職柄あくまで立場は下になりますが、お互いに人間的なので、フィーリングが合うとプライベートでもお付き合いする間柄になったりと良い人脈に恵まれる機会があります。
デメリット
秘書として働くデメリットは3つあります。
- 上司との相性がすべて
- 自分以外の誰かのことを常に考えなければいけない
- 多忙になりやすい
上司との相性がすべて
これは想像が付くことだと思いますが、1日約8時間もの間サポートする上司と相性が合わない場合、仕事がやりづらいケースが多々あります。
ある程度上司の求める仕事ぶりに寄せていくことは秘書として必要なスキルですが、上司が思っている「当たり前」が自分の思っている常識とずれていることが多いと、何をするにしても確認しなければいけませんし、消耗してしまいます。
秘書は上司の信頼を得ることが第一なので、相性が合わない場合は信頼してもらうまでに時間が掛かります。
自分以外の誰かのことを常に考えなければいけない

秘書として仕事をしているとき、常に自分の上司だったらどう考えるだろう?という気持ちで仕事をすることが必要です。
- 上司はいつ頃戻ってくるかな。資料の準備をしておこう
- 取引先から○日に来訪したいと言われたけど、上司はもっと急ぎで調整してして欲しいと言いそう
そのため、上司が求めていないことをしたり、「自分がこうしたい」という気持ちが強いタイプの人は秘書に向かないと感じました。
多忙になりやすい

会社にもよりますが、役職者1人あたりに担当する秘書は基本的に1人です。そのため、担当する上司がかなり忙しい人だと秘書も忙しくなります。私の担当していた上司は経営者で多忙だったため、サポートする業務が多いのはもちろん上司との時間が合わないので、残業して上司の会議が終わるのを待つこともよくありました。
【秘書の残業について】
優先度が高くないものは残業せずに帰ったほうが良いですが、急ぎで進めることが分かっている場合は状況に応じて残業が必要なこともありました。
私の場合は突発的に残業することも多かったので、仕事終わりに予定を入れることはほとんどしていませんでした。
私が秘書を辞めた理由

私が秘書を辞めようと思った理由は精神的・時間的な余裕が欲しいと思ったためです。
秘書は多忙であることが多いです。また、私は経営者の秘書だったこともあり役職者同士の橋渡しや、根回しをして物事を動かしていくといった、なかなか難しい局面に遭遇することも、少なくありませんでした。
そのため家に帰ってもついつい仕事用のスマホを見てはあれこれ考えたり・・・ということもありますし、上司から休日にも仕事のメールが来ていたこともありオンとオフの付け方が難しいと感じました。
ワークライフバランスが良い秘書の案件もあると思いますが個人事業主の秘書を希望する場合は残業時間などについて、しっかり確認することをオススメします。
秘書に向いている人
次に秘書に向いている人をお伝えします。
向いている人は、次の3つに当てはまる人です。
- コミュニケーション能力
- ホスピタリティ精神
- 口が堅い
コミュニケーション能力

秘書は、事務の仕事に加えて高いコミュニケーション能力が必要になります。
上司の大切なお客様をおもてなししたり、会社の顔としての役割も求められているので「第一印象が良い」「感じが良い」ことは秘書として重要なポイントになります。
ホスピタリティ精神

秘書は接客業ではありませんが、誰かをサポートしたり自分の働きによって誰かを直接的に幸せにできる点は共通しています。そのためホスピタリティ精神を持っている人であれば大きなやりがいを感じながら働ける仕事だと思います。
また、役職者は社会的地位の高い人間であることが多いため、プライベートでも触れているサービスのレベルが高い可能性があります。※ホテルや飛行機の搭乗クラスなど
そのため、サービスマインドの高い人の方が「安心して仕事を任せられる」と思ってもらいやすいと感じました。
口が堅い人

秘書は会社の中でも重役の人とのつながりが濃いことから社内秘の情報も入りやすい立場にあります。実際に私も社員の給与や異動の情報などが耳に入ってきていました。
ただ、基本的に社員に話してはならない情報ばかりだったので他の社員の方に聞かれても、「知りません」「聞いていません」といった姿勢で接していました。
秘書は大切な情報を扱うことが多いので、それを口外したり見せないことが基本です。そのため、ある程度仲が良くても自分で線引きできる人が良いと感じました。
まとめ
いかかでしたか?ここまでに秘書の仕事内容やメリット・デメリットなどをお伝えしました。ワークライフバランスなど、休みが取りずらいの!?と心配になった方もいるかと思いますが、これは選ぶ会社と、どのボスの秘書になるのかで大きく変わってくると思います。
秘書なので一概に有給消化できない。。。ということではありませんので、入社前にしっかりと確認されることをオススメします。
秘書は上司を立てて円滑に仕事が進むようにサポートする仕事なので、裏方タイプの人が合っていると想います。
ただ秘書と一口にいっても営業の要素があったり、経営としての右腕的要素を求められたりといろんな役割が存在しているようです。こちらも入社する前に「自分が想像している秘書の仕事かな?」としっかり確認しておくと良いと思います。
それでは最後までお読みいただき、ありがとうございました。